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除夜の鐘 時の鐘 

文化財としての保存と伝統行事としての活用を両立させる為の手摺

年末の伝統行事としての除夜の鐘 時の鐘

 2020年!コロナ禍が全世界を覆い、2019年まで続いていた薬師講による年末の伝統行事の一つでNPO法人川越蔵の会がお手伝いして来た!時の鐘での除夜の鐘は中止された。
2024年の年末が近づき、今年こそ復活させたいと願いつつも、色々とクリアしないといけない状況が時の鐘自体にありました。先ず、時の鐘は、川越城主酒井忠勝の時代に建てられ、現在建っている4代目は、川越大火(明治26年)直後に明治天皇からの御下賜金により、まちの復興のシンボルとして再建された貴重な文化財(川越市指定有形文化財)であるという事。そして、明治という時代と、時を告げる鐘の塔という特殊な用途の為でもないが...上部に吊るされた鐘までたどり着く道は、決して人に優しい階段ではない。特に、地上部から2階への直通階段は、階高5.4mあり、65度の急こう配の階段で、しかも手摺もないという状態でした。こうした状況でも、普通の家庭でも3尺角の中で2階へ上がる階段や、急こう配の階段などは、普通に残っていた昭和なら特に問題にもならなかったであろう。しかし、平成・令和と進み古い建物がどんどん姿を消していく中、階段も建築基準法で最低限の踏面・蹴上げが決められ、そうした階段になれた人々が増えた現在、極めて危険な階段であると認識されるようになっている。危険なので使わないようにする。責任問題などなど。状況は、良く解る。
では、安全性を確保のために手摺を付けたい所だが、文化財なので、新たな部材などを安易に取付をすることが出来ない等などありました。こういった状況化で、なんとか、年末の風物詩でもある除夜の鐘を時の鐘で突きたい!
では、このイベント時に簡単に文化財を傷めずに取付して、安全確保する為に、工事などで使う単管パイプなどで手摺を造るなどの案も上がったが、予算的には、相当な金額になりました。たった1日!ほんの数時間だが、年末年始の夜中となると、材料費よりも、人工代でびっくりな金額になってしまう。
簡単に!安く!早く!出来る手摺がこの行事の再開への最初のハードルとなったのである。

初期のスケッチ案

簡単に!安く!早く!

初期スケッチ

現地で実験

3×6版のコンパネから平行四辺形の板を切り出す!

段板と段板の間に差し込む 

側板と平行四辺形の板をクランプ 

初期スケッチ

徐々に増やして行きます 

一段飛ばしで取付 クランプの間には当て木を入れて保護 

平行四辺形の板は仮設置完了! 

ここからは、登りやすい手摺の高さを決めます 

初期スケッチ

実際の手摺を仮設置 

まだ、少し高いかな〜など繰り返し 

上から観てみる

なかなかの急こう配! 

初期スケッチ

実験成功!

本番に向けて微調整。設置時間も30分あればいけそう 

当日に向けて最上部の鐘のメンテナンスに同席 

当日と翌日の不具合発生時の対処方法を教わる。 

初期スケッチ

いざ 大晦日〜 

これから設置します。 

平行四辺形の板は既存に色合わせ 

設置後の違和感の無さに繋がります。 

初期スケッチ

はじまりました〜 

この手摺子の平行四辺形の面材がポイントです。 

手摺子の面材が上下の段板で動きが固定される。 

左右の動きは、クランプで、合計3点留めとなり安定する。 

初期スケッチ

更に、自重で回転して締まる 

手摺を握っても、手摺子にかかる力が締まる方向なのがミソです 

手摺は地面まで 

必要ないと思いますが...やはり安全側で伸ばす 

初期スケッチ

ほぼ完成! 

クランプの握り手の赤がポイントかな? 

手摺足元の固定も完了 

ここまで15分!早い!

初期スケッチ

設置完了〜 

手元のライトが少なすぎました!反省点

これから皆さんが登ってきます!

初めから付いているかの様です。 

初期スケッチ

最上部の手摺を設置 

クランプ留めなので、設置・解体は素人でもOK

地元の人が多く集まり無事に開催されました!

あくまでも近隣の方が限定の行事です。

初期スケッチ

実際の手摺の見上げ 

付いてしまうと違和感なく溶け込んでいる

あけましておめでとうございます!ゴ〜ン

時の鐘を突く

無事に2024年除夜の鐘の行事を終えることが出来ました。末永く、この行事が行るように今後も改良をしていきたいと思います。

100TH ANNIV.

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