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川越 幸すし ファサード改修

稲荷小路の路地景観を再構築

  川越の伝統的建造物群保存地区内に位置するお寿司屋蔵造りの町並みから細い路地を入って行くと「江戸見格子戸」がお店へ誘います。

 数年前の改修で、元々の数寄屋の雰囲気の建物が切り取られてしまった状態から 雰囲気を改善する事と、気軽にお寿司を食べられるイートインコーナーを造る計画です。
 幸すしさんは、「ひとつの店舗で三様式から選べる」のが特徴の一つです。 現状、「カウンター席」と「2階和食堂」は一つの入口になってますが、 お店のエントランス部分をカウンター席への入口と2階食堂への分離をし、 店先でも販売出来るコーナーも併設します。

 また、切り取られてしまった面を格子戸を連続させ一つの景観を造ります。
格子戸の背後には、鏡を設置して、路地対面の緑や神社を映り込ませ、 格子戸の奥行を感じさせるようしています。 格子戸の背面は配色し、歩行者の動きに連動して格子戸+鏡越しに見え隠れで 背面が見え隠れします。
配色は、例えば、江戸時代の浮世絵(右図)などを簡略化したもの等を検討。


東都名所高輪廿六夜 待遊興之図
歌川広重(初代) 作  

 川越で行われている「江戸の日」は、まさに、下図の浮世絵の如き世界観なのだと思います。
そこには、活き活きと描かれた添景の人物無しには成立しない。
今回、エントランス廻りの改修を検討するにあたり、この雰囲気を建物で表現出来ればと想い計画しています。

モザイク加工

上図を簡略化していく。

更に簡略化

目を細めにすると浮かび上がる程度まで簡略化し16色で構成する。

江戸見格子戸

格子戸とは、その背後に空間があり、内外間での視線の制御をおこない、お互いの丁度いい距離を保てる。
今回の江戸見格子戸は、格子戸の背後は僅か100〜300o程度の空間である。
この空間は、外から覗き込んだ時に、格子戸の背後の鏡に映り込む現在の自分自身の背後の空間(楠の木や稲荷など)を写し込む。
同時に、格子自体の背後の面も写し込む。この格子の背後こそが、「江戸の日」の雰囲気をもつ浮世絵「東都名所高輪廿六夜 待遊興之図 」歌川広重(初代) 作を簡略化し、16色で塗り分けた絵である。
格子を覗き込む体験は、格子戸の奥に存在する「江戸」を覗き込みます。

稲荷小路

伝統的建造物群保存地区の一番街商店街に続く路地に面するお店

稲荷小路

銅板と格子戸

しあわせ稲荷

しあわせ稲荷の足元廻りも綺麗にしました。小林賢二アトリエ

しあわせ稲荷

白御影石のびしゃん仕上げに相木石の野面石

一番街からの路地から

夜景 歩いて見て初めて認識できる。

モワレも発生

夜景 格子戸の背後のうっすら配色

一番街からの路地から

夜景 格子戸の背後のうっすら配色