architecture

旧梅原菓子店修理事業

江戸末〜明治初期に建てられた歴史的建造物の修理

  江戸末から明治初期に建てられたこの歴史的建造物は、平成25年まで「かどみせ」「さかうえ」「かど」などの愛称で親しまれてきた駄菓子屋さんでした。近所のちびっこには、週刊ジャンプが早く読める店として有名だったようです。所有者が高齢を理由に売りに出され、巡りめぐって氷川神社が取得しました。地域に愛され親しまれたこの建物が壊され無くなっていまうのは惜しみないという気持ちからでした。地域貢献が出来る場所として活用案等を考える場※1が設けられると同時に、いまにも崩れそうなこの建物を先ずは、健全な状態に戻しましょう!と云う事で、修理事業が始まりました。実測調査から基本・実施設計で1年、工事で2年の合計3年掛かりの事業でした。
平成29年7月末に氷川神社 旭舎文庫(あさひのやぶんこ)としてOPENいたしました。
  ※1 カワゴエジャンププロジェクト
    下の写真は、平成26年7月の実測調査の時の写真です。

●平成30年度かわごえ都市景観表彰「都市景観デザイン賞」受賞


---------------------------- 審査講評 -----------------------------

時代と共に、地域と共に


 「かどみせ」「さかうえ」の愛称で地域の子ども達に愛された駄菓子屋が、「地域に開かれた読書館」としての機能を備えて生まれかわりました。当初、菓子商として建てられたこの塗屋は、明治14年以前から氷川神社へと向かう通りの角に位置し、時代の移り変わりを見守ってきました。下屋下の歩行空間を確保するため、建具を内側にセットバックさせる工夫を施しながらも、それを感じさせない統一感のある色使いと丁寧なつくりが、昔を知る人にも変わらぬ愛着をもたらしています。真面目に復原修理に取り組んだ、関係者の思いが感じられる作品です。