この建物に実測調査に入った時、正直良く解りませんでした。新建材で覆われている部分や朽ちている部分、増改築された部分などもあり構成も複雑でどう造られているのか?新建材を剥がしながら、小屋裏にもぐりこんで、全身真っ黒(鼻の中、喉の中まで真っ黒になります...w)になりながら図面に起こして行く事で徐々に見えてきます。
外観上の特徴としては、西側は寄棟屋根で東側は入母屋造りとなっていて、南西の角を廻るように下屋が南側と西側の道路側にぐるりと廻る構成です。構造的には、西側は、土蔵造りで土壁の厚みは、190mmぐらいで北側前面と2階の西側と南側の西半分が塗られていました。下屋部分は、揚げ戸の跡も残り開放的な造りです。北東側2階は、塗り屋造りで70mm前後の塗り厚で柱梁を覆っています。東側の外壁の凸凹が柱の有る位置です。南東側は、真壁造りで柱は露出した造りになっています。また、転用材を多く使用してあります。大きくは、西側の土蔵造り部分と北東側の塗屋造り部分と南東側の真壁部分の3つ!2階床高さの違いや継ぎ目部分に通しの梁が無いなどの事から3つの建物をここに移築して合体させて一つの建物にまとめた様に感じます。