architecture
軒先と内部 1

いよいよ屋根廻りがフィニッフュに近づいてきました。軒天は、この建物の中で、非常に重要な要素である。立面的に洋風町屋は、シンメトリ−が基本と成っている。
そのシンメトリーをなだらかに崩すのが、この軒天を突き破って突出してきている梁の存在である。これは、通りから見上げた時に屋根の構造を視覚的に引き込ませる
役目を持っている。だから、梁を大きく見せるために軒天の角度を3Dで検討を繰り返した。角度が浅いと梁は、軒天内に隠れてしまい先端だけ少し見える(妙な形の
突起物が付くような感じ)。逆に角度がきつくなると、梁の上端が軒天から出てきてしまい、納まり的にすごく複雑な形状となってしまう。梁の上端がちょうど隠れて、
しかも最大限に梁を見せる角度を選択している。実施には、うまくいかなかったが.....。主旨は、説明付く範囲内で納まっていると思う。

奥の方の軒天である。なんか覆ってしまうのはもったいないな〜。 内部、ALCが見ている部分は、銅板を張って行きます。 ガラスブロック施工中。オパリーンはきれい! 商店街の中で、敷地に余裕が無く、材料の置場がない。 軒天の下地:サッシも多角形で製作し、その頂点と屋根の多角形の頂点を結んでいく。同じ多角形で中心が一致しているので、
軒天面に出てくる面は、台形になる。そして全て同じ形になる。そして、全て同じ位置から梁が出てくる。
もう少し梁が出てくるはずであったが、鼻隠しの幅が少し大きかった。もっと薄くてよかった。
手間の話をしても、あれだが、この軒天下地は、大工一人1日掛かりきりであったそうだ。(山下さんも付きっ切り?) 道路側と奥と軒天は、ほぼ同じである。奥の方が、軒の出が少し小さい。 建物両サイドの軒部分。3階ベランダ手摺上部から上は、全て銅板でくるんでいる。 2階の3つの縦長窓の周りの飾りである。飾りという表現が正しいのかは不明。 3階個室内部、天井は、ロフトの床を支える。
軒は、防火構造である。下地に硬質木片セメント板の上銅板である。
木組み網代ボールトの梁が、軒を貫通してきているがわかる。
本来は、軒天に出てくる木の梁の形は、全て同じ形状になるはずであったが、施工誤差が大分出てきている。遠目には、同じに見えるが....。
3次元的な部分が結構多い今回の建物で、職人を初め、皆が口にする言葉は、「やったことないから.....」
自分の中で色々な葛藤が始まる。
やったことある事をやること、やったことある事をこなす事、やったことの無いことをやること、やったこと無いことをこなす事、

ロフトの床下地が終わったところ。 3階個室の床組施工中、大工さんが立っている部分は、鉄骨の梁にデッキプレートにコンクリートで床を作っている。これが、両サイドにあり、
中間部分を木の梁を通して床組みをする形である。 暗くてわかりづらいが、大引の下にモルタルを詰めているところ 浴室:防水下地完了!
2階和室:外壁の洗い出しの関係で、内部のモルタル30mmである。ラスシートが貼られた状態。
なんか工場みたいですね。

リビング天井である。3階床は、木の梁(米松120×270@910)で支える。 断熱 3階道路側から敷地奥の方向を見通す。お風呂の蓋のような木の板がたくさん立てかけられているが、
2〜3階への階段の段板である。桧38mmである。すごくきれいです。 ロフト部分を見上げているところ。この部分には、壁というか手摺というか、ロフトから落ちないような物が必要である。
設計では、屋根の多角形に習い、中心から1m程度は、下からの壁で持ち上げ、その上部から天井まで、ルーバー(横:といっても多角形成りのルーバーである。)
で仕切るように成っている。もちろん木組み網代ボールトがそのルーバーをまたもや貫通する訳なのだが、これは、すごい手間が掛かる。
当然?山下さんからやめて欲しい?変更して欲しい?の要望を受けている。
手間の話は、さておき、設計中もそのルーバーがいいのか悩んでいた部分でこう見ると無いほうが、すごく良い。
ロフト奥の丸窓からの光が、ロフト内に充満し天井の白に反射したやわらかい光が、階段室まで、導いてきているから....。
ちょっと考えよう。
2階和室内部である。
通りに面する部屋で、外壁を洗い出しにした関係で、内部もモルタル30mmで塗りまわす事にな成っている。ラスシートを貼った状態。
柱、梁は、コンクリートのように見えるが、珪酸カルシウム版(t=15)で耐火被覆している状態である。
天井面は、上部が、ちょうどベランダになるので、結露防止で現場発泡ウレタンを噴いてある。
この部屋は、通りからの弊害?外観上からの弊害?で、3つの縦長の窓が付く。また、その位置も、微妙な位置である。
床から約300mmの位置で高さが約1600mmである。この窓は、川越の洋風町屋の特徴である。お隣さんに合わせた位置は、
平面計画上都合よい感じには、ならない。でも、通常では考えない位置に窓がある、そしてその窓が和室にあるってところが、
結構面白いかも知れない。
色々、制約のある窓だが、洋風町屋の窓を作るには、もうひとつの難題がある。既存の物は、基本的に木製の窓で作られているということ。
当然サッシの見付は、細く、シャープで繊細である。しかし、ここでは木製のサッシは、法的に作る事ができない。防火設備(旧乙種防火戸)の
木製サッシは、当然ある。しかし、その見付は、アルミサッシと変わらないか、それ以上であるということ。既存の物に比べ約倍である。
そういうことなので、写真を見ればわかるが、スチールサッシを採用している。見付は、25mmである。        
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