architecture
木組み網代ボールト建方 5日目

ついに5日目(実質3.5日目)です。
今日は、最後まで行きます。内容としては、残りのB・C・D・E・A部材を取り付けて行き、本締めしながら束と母屋を取り付け。
懸案事項としては、C部材の1本が数日前に端部にひびが入り、鍵の部分が耐力を期待でき無そうな部材を発見。
ここの部分は、設計の段階から、材幅以上を見ておかないと荷重が掛かったときにすぐに飛んでしまうであろう事が予想されていた。
今回は、荷重によるひびではなく、乾燥によるものである。大工の藤井さんと話し合い、鍵部分が完全に飛んでいるわけでもなく半分以上は付いている状態から見て、
仕口部分にダボを入れる事で対応している。
第二の懸案事項は、最後の鉄骨アーチA・Bへの取り付く部分である。最初にやり始めた所は、下地があり、そこに墨出してあるので、その位置にA部材を置いていけばOKであったが、後ろの方は無い。正規の位置に来るのか?
第三は、母屋の通りである。約16.5mの母屋がまっすぐ通って来るのか?
第四は、最後の1本は入るのか?
第五は、予期せぬ問題は発生するのか?
第六は、台風接近の情報による。雨・風
とりあえず、考え出すときりが無いので、今日の状況を見ていってください。

問題のC部材のダボ彫り。
仕口面が斜めなので、その面に対して垂直に掘り込んで行かなければ成らない。

ダボとなる材を入れ込んだ所
ダボの先端を受け側が入りやすいように面取り中 今度は、受けの方のダボ穴を掘り込んで行きます。

さあ〜うまく入るかな〜。ビンゴ----。ピッタシかんかんでした。
すごいですね。ボルトの穴が1直線に通せる技術があるのだから当然といえば当然か....。
ずいぶん大詰に向かってきました。
後B部材をつけてD部材つけてA部材つけておしまい。
ここまでのところで、3列目の母屋が掛けられるところまで来たので、母屋材を取り付ける位置に運搬。
ブルーシートのところは、昨日までで、母屋が掛かっている部分。

実は、今回の木組み網代ボールトは、施工的には、母屋は非常に重要な役割を果たしていると思います。
理由は、材2本と束と母屋を1本のボルトで締めるのですが、これは、前日にも書きましたが、将来、乾燥収縮などによる隙などが生じた場合に
屋根をいじらずにボルトを締めるためにこのようにしたのですが、施工中でも、このボルトを締めると、おのずと、本来あるべき位置に材が全体的に
移動していくようである。
111本の梁材の中唯一水平が出るC部材の高さを水糸を張って確認中。
B部材取り付け中。今日のメンバーは、現場監督の山下さん・棟梁の藤井さん・日清の応援のホリガミさん・大工のタカオさん・鳶の鈴木さんの5名です。
ほぼ毎日同じメンバーでした。人数的には、これより多くても邪魔だし、少なくてもできない。ちょうどいい塩梅。
来ましたよ〜。後1列ですよ。

最後のD部材取り付け中。
休憩〜。タカオさんがジュースを買いに行ってくる。一服?
山下さん:ジュース買ってくるのに15分ぐらい掛かるから少しやっちゃおう〜。
棟梁藤井さん:やっちゃおう。
って事で、最後の列のA部材の取り付けが始まる。
1本目鉄骨のアーチが在って作業が難しい。
もっと右、ちょっと上に上げて、......。
おっしゃ2本目、休憩と思って下に降りていたホリガミさんも参戦。なんといってもこのリーゼント?オールバックがカッコイイ。


3本目だんだんきつくなってくる。動く場所がほとんど無い。

3本目取り付け終了
4本目本当にきつそう、もう少しで入るのに..........。
ジュースを買って帰ってきたタカオさんも参戦。
そして、ついに最後の1本が入りました。
こうしてみてみるとほぼ正規の位置にA部材は納まっている。
教訓、前日、鉄骨屋さんにアーチのガセットは、工場でつけてこれたか?の質問を思い出した。
もし、つけてきたら、最後のA部材は、入れられなかった。
つけてきても、はじめのアーチの方だけで無いと施工不可。
やっぱりやってみないとわからないことばっかりだ。


ボルトの本締め中。

もちょうど棟梁がボルトを締めている、鉄骨梁との接合部、ガセットが少しずれている。
ボールトの反対側の足も同じ方向にずれているので、全体が写真で言う左にずれていることになる。
かといって、E部材はもう溶接してあるので、全体を右に動かすというわけにも行かない。
結局は、それぞれに鉄骨部分に買い物をして調整し、本来の場所へ移動。
3列目の母屋取り付け中 3列目の母屋取り付け終了
複雑に鉄骨と木が絡み合う軒先部分。

最後の4列目の母屋の墨付け中。
最後は、調整が必要であろうという予測の元に材のみ搬入。
実際は、設計図通りでokであった。


母屋も隣の母屋とは、ボルトの位置が違う。
束のピッチは、1904oで、隣の列とのずれは、476oである。
午前中終了〜。
ついに来ましたね。
お昼になってからも、色々と気に掛かるのか、色々見回る山下さん。
束の位置から行って、母屋はほぼまっすぐ通る感じである。


見通す とりあえず、この建物の最大の難関の木組み網代ボールトがなんとなくうまく行って、ほっと一安心?
山下さんも一安心?

午後、知り合いの方が、見学に来て案内しているうちに、最後の母屋の取り付けはどんどん進んでいた。
もうここまでくれば、私も用済み?

ついに来ましたね。
でも、やっぱり昨日問題になった束の高さ。昨日の位置と正反対の部分もやはり少し下がっている。
昨日は、このA部材を先にアーチにガセットと調節してしまい、調整不可となったが、こちら側は、まだ、溶接していない。
棟梁の右手の部分にある束の高さが基準であるので、この上に母屋を掛け、問題の束の部分をボルトで締め付けると、下がっていた束もくっついてきた。
母屋さんありがとう。
一通り母屋が架かった状態。
台風情報で、ポリカが気になる山下さんは、ブルーシートの中で、ポリカが動かないように仮止めをしていた。
シートの中は、風もほとんど吹き込まず空気がよどんでいる上にこの暑さ、酸欠で参ってしまった様子。



母屋が付いたことで、アーチに取り付くA部材は心配なくなった。
材2本と束そして母屋を貫通しているボルト
サイドから、屋根が架かるとこのアングルは見れない。 木の材がきれいに規則正しく並んでいる。すごくきれい。
昨日のガセットプレートの溶接部分。 すごい加工だよな〜。われながら関心。 この角度、すごく苦労したガセットプレート。この部分は、隠れてしまうのだが、もったいない気がしてきた。 道路側から見通す。垂直に立っている細い柱は、C部材を正確な位置に固定しておくためのつっかえ棒。実際には、無くなる。
あ〜ポリカの養生シートはがした〜い。 1本の材は、2本の別々の材に乗り、別々の材を中央部分で受けている様子が良くわかる。
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