architecture
木組み網代ボールト建方 4日目

4日目に突入です。(実質は、2.5日目です。)
今日の作業は、昨日突然の雨と風で中断となったD・E部材の足回りの鉄骨梁への溶接からです。続いてA部材を鉄骨アーチからのガセットに取り付けとそのためのボルト穴開けです。当初は、A部材には、ボルト穴を開けておくはずだったが、現場で開けることに.....。基準と成る下地の箱が変形し下地の箱の墨が信用できない以上、ボルト穴は開けておかなくて正解?だったかもしれない。成りで合わせて開けて行くことに。脚部が決まれば、先に進んでいけます。もう一枚の間仕切壁のポリカの貫通。束たて、母屋を流していくという感じです。

ボルトの穴を現場で開けて行く。木の梁(A部材)に対しては、垂直に穴が開くが、写真のような姿勢でうまくあくのか心配であったが、
やっぱり長年やってる大工さんにとっては、朝飯まえ状態でバンバン開けてビシッて合うみたいです。
写真下の鉄板が、今開けている部分に取り付くガセットプレートです。穴の開いた梁を両側から挟みこみボルトM16で仮止めし、鉄骨アーチに溶接して行きます。
鉄骨アーチBにガセットBが取り付いた状態。この後溶接です。
写真右下のA-1と書いてあるガセットは、手前のアーチAに取り付くガセットです。
アーチBに取り付くガセットは、両面とも同じ形をしていますが、アーチAの方は、形が違います。
この違いが、木の梁に垂直に開けたボルト穴と合ってしかも鉄骨アーチにうまく取り付くのか?心配事が山積状態。
アーチAに取り付くA部材にボルト穴を開けている様子。 すごいですね。うまくピッタシ合いました。
3DCAD上でいくら作って確認してもやはり実際にそれができるところに立ち会うこの快感?
鉄骨屋さんと大工さんと、それぞれが、その場で、一緒に作業をしないとできない。
鉄骨屋さんがやった後に大工さんが.....というわけには行かない。同時進行。

同じくA部材先端にボルト穴を開けている所。
この部分が後で問題を起こす原因になることも知らずに...........。
アーチAにA部材をガセットで挟み込んでいる状態。 アーチA・Bにガセットがすべて取り付けられた状態。
ちなみに、アーチAとアーチBを結ぶアングルとブレースの位置もすごい試行錯誤の末の位置決めである。
実施設計段階の状態では、ブレースが、木の梁を貫通するということに、ガセットの図面を作るために3DCADで
この辺りを作ってレンダリングしたら......。まずいよ〜。15°回転させてみよう、(基準は正24角形なので、1個飛ばしの15°)
それでも駄目30°・7.5°と色々回転させたが、どうしてもブレースが、木の梁をどこかで貫通してしまう。
結局は、現状のように細かく5つブレース(実施段階では、3つ)を入れるようにして木の梁を貫通しないように変更している。
さあーガセットの溶接が終われば、下地の箱は用済みです。
現場の山下さんとホリガミさん(日清建設の応援)が手際よく解体。
下地が無くなっても梁が落ちてくることは、無いのはわかっていてもなんとなくこの箱に頼っているのではないか?
ぜんぜん問題なくアーチA・Bに取り付いている。
下地の箱が解体されたころには、一昨日までに組み立てた部材の足回りの溶接が済んでいて、脚が決まれば、
おのずと他の材の位置は、正規の位置近くまで来ていた。
今まで、束がたつところは、建たないところと同じボルト(短い)で止めていたが、長い物に取替え、束を差し込んでいく。
そして母屋を掛けて行く。写真は、とりあえず2列のみ母屋が掛かった状態。
母屋が付くことによってさらに強固に固まった感じです。
束の種類は2種類で写真で付いているものは、すべて同じ形です。
木組み網代ボールトの高さが、正規の位置に来ないともやはくねくねになるということ。
でも、来るんですね。1本を除いて.........。
写真の左側のこれからつけようとする母屋のちょうど切れて見えない部分が1本唯一少し下がっている事が発覚。
この原因は、4枚前の写真のA部材のアーチへの取り付け位置が正規の位置より少し下に取り付いてしまったため。
しかし、これを直すことは、すでにできない状態。理由は、ガセットは、仮止めの溶接だけなので、動かすことはできるが、
これを動かすとボルトの位置が少し変わってくる。この少しが問題で、少しずらした位置で穴を開けなおしても、穴が大きくなるだけで、
その位置に木の梁を止めておくことは、できない。よって、動かせない。
束の方をこの高さになるように調節することにした。
この問題は回避することはできたか?
今回の状態では回避不能であったと思われる。
すべての作業が、初体験で、予期せぬ状況が次から次へとでてくる。本当に図面どおりでその形が作れるのかも皆(私も含めて)
半信半疑である状態で、この程度の誤差を許容範囲と思われる。
教訓として。後ろのアーチAとBへのガセットの取り付けは、先に母屋を決めてそれに合うように木梁にボルトを開けていくという事であろう。
鉄骨屋さんに、後学の為、アーチに先にガセットをつけてこれたかを聞いた。
答えは、ノーであった。位置は出せても、角度が難しい。つけてきても、木梁がピッタシ合う保障はないとの事。


将来このアングルの写真を撮ることはできない。
撮影位置は、前面道路に立てた足場の最上部から。
見ることもできなくなるという気持ちからシャッターを押し捲る。
午前中終了〜。 一昨日から見た目はほとんど進んでいないが、実際には、すごく事が今日午前中で進んだ。 この撮影位置も結構怖い。
さあ〜午後開始です。
一昨日までの部分はほぼ決まったので、先へ進みます。
ポリカの取り付けです。このポリカがうまく合わない。
木の傾いたときの断面と、切欠きの形が合わない。どのポリカがどこに付くのか?裏なのか表なのか?
すごくあせる(私)。これが、合わなければ、このポリカは無駄になるし、改めて、図面を起こし、それを加工して持ってくまで、
工事をストップさせるわけにも行かないし、木組みだけ先に作って後で、現場で切り欠いて継ぎ接ぎでポリカをつけるなんてとんでもないし
何度かやってうまく入ったので、大きな問題にはならなかったが、図面を用意しておけばよかった。(ポリカの図面は、持ち歩いていなかった。)
写真のポリカは、1枚に対して4本の木の梁が貫通して行く。
ちょっとクリアランスが大きかったかな〜。

とりあえず4枚ポリカ設置OK
写真はB部材をポリカに差し込んでいっているところ。

ポリカと木梁の絡む部分。現状は、ポリカが少し下がっているが、正規の位置に持ってくると、木の梁の上下左右で25mmのクリアランスが取れる計算。
束の上のボルトを閉めているのが、藤井工務店のタカオさん。
ポリカに絡む部分が終了。 この写真は、E部材の軒先部分。
ガセットプレートを現場で溶接している途中。
現場溶接の代償がこの焦げであろう。
特にこの写真を含む4本は、溶接部分が梁の関係で、木梁に極めて近くなってしまう。
木の梁を取って先にガセットをつければいいのだが、それができないので、現場溶接を選択している。
この部分は、実際には、隠れてしまう部分である。
鉄骨アーチ下にあった下地の箱が無くなり、見通すことができるようになりました。
足場板の位置は、3FL+2800程度の位置である。

ポリカに絡む部分が無くなり、後は、今までの繰り返し。
皆、もう手馴れたもので、すばやい。

次の母屋を取り付けていく状態。
母屋の継ぎ手の位置が揃うのは、禁じ手だが、今回は、通常の屋根と違うということと、継ぎ手部分をサイドから補強する。
当初の考えは、後々のことを考えて、ボルトを締められるように、母屋・束・B部材・C部材を1本のボルトで締め付けるということをするために、
施工上、母屋の長さは、同じで行かないと、うまくいかないと思っていたためである。
しかし、現場では、先に1回短いボルトで固定してある程度行った時点で、短いボルトから長いボルトに入れ替えて、母屋を掛けて行くという手順にしている。
ボルト(木の交点)自体は、本来?は要らない。荷重が掛かれば掛かるほど締まっていく構造になっているからである。
実際には、風の吹き上げなどでひつようなんだが、なんといっても施工上無くてはならないもの。
2列目の母屋も架かり、本締めをしているところ。

今日は、この辺までです。 今日、一日、すごい進んだ。これで、何とか木組み網代ボールトはいけそうです。 後、残りの懸案事項は、奥のアーチに木部材とガセットとの接合である。
ブルーシートを掛けて本日は、おしまい。お疲れ様でした。
台風が来ているみたい。(沖縄)
明日の夜は、一雨くる天気予報。(Yahoo情報)でも、昨日は、曇りの予報で、大雨に雷だったからイマイチ当てにならないかな?
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