architecture
木組み網代ボールト仮組み
 1年ぐらい前に地元川越の大正浪漫夢通り(旧銀座通り)にある「味の店 いせや」の建替えの話があり基本・実施・中高層申請・確認申請・見積調整・工事契約などなどがあり、本日ようやく、この建物の目玉?の木組み網代ボールトの仮組みまでこぎつけました。各段階にいろいろな問題があったのですが、この仮組みができて、一安心というところです。
昨日、現場の山下さんから明日から仮組みしますとの連絡を受け、10時ごろ仮組みの場所へ行くと、ちょうど最端部のA部材(全部で、A〜Eの5種類)を下地に固定した状態でした。この下地は、A部材を鉄骨のアーチからでるガセットプレートにボルトでとめていくのですが、アーチから出るガセットプレートを取り付ける事も大変ムヅカシイ部分であるため、A部材を3次元的に固定し、A部材に先にガセットプレートをボルト止めしたものをアーチに現場溶接していくための下地である。さて、なぜ鉄骨のアーチのガセットプレートが間単につけられないかは、解説するとすごく時間が掛かるので、簡単に言うと、取り付ける面が曲面であることと、約45度振っている事、プレートの面自体は、アーチの中心に向かっていかなければ、成らない事などいろいろな要因で、ガセットプレートの形が不明?から始まって、検討の末の方法である。ただ、今回は、仮組みということで、鉄骨のアーチがない分この下地がA部材を3次元の正確な場所に配置させるための重要なものと成った。A部材は、特に問題はない。次の難関は、A部材に絡んでくるB部材の取り付けである。B部材は、先に取り付けてあるA部材の中央付近にB部材の先端が乗り、中央付近で、別のA部材が、今度は、B部材に乗るという状態で、3本材を一緒に調整していかなければならない。この時点では、A部材が完全にFIXされた状態ではないので、ちょっと右、上、下などやっているうちに本来あるべき位置から少しずつA部材がずれてきてしまった。ただ、B部材も何とか納まり鉄骨梁に乗るD・E部材を取り付けていく。ここまででもすごく大変な作業なのだが、次のC部材が本当の意味で、部材の刻み(仕口)やボルトの穴の位置などが本当に合っていくのか.........。
C部材は、今度は、A部材1本、B部材2本と絡んでくるので、合計4本の絡みを見ていかなければならない。実際は、すべて、つながっているので、今まで、取り付けた部材すべてとの絡みを見てつけていかなければ、取り付けられないという代物です。でもできたんですね。
3次元CADにより、各部材の仕口やボルトの位置など出すことはできても、実際に組めるか本当のところ今日の今日まで、すごく不安でした。
1/5の模型で確認はしたにはしたが、模型と現物では、重さもサイズも大きな違いがある。特に今回の問題は、材と材の接合部分にボルトが貫通することになっていて、このボルトも斜めの斜めでひとつとして直角なところが存在しない。そのボルト穴が、今回ピッタシかんかんで通っていたのには、感激?神業?
大工の藤井工務店の藤井さん曰く、ボルトの位置まで、しっかりした図面を書いてくれてあったから.....。とお世辞でも言ってくれてはいたが、設計段階のときに、実際にその仕口の部分を原寸で模型を作ったときボルトの入り口、出口がわかっていても2本の材をまっすぐに貫通させるためには、すごく大変な作業であった。トンネルと同じで、2地点から掘り出して、1点で出会う。出会うだけならあれかもしれないが、この3点が一直線に成らなければ、ボルトは通っていかない。私の原寸模型では、まず1点にすらあわせられずに何度も何度もぐりぐりドリルで穴を調整してようやく出遭った感じだったので、この技のすごさ?は、経験から感じるすごさであった。
今回、仮組みに日清建設の社長も現場の山下さんに呼ばれ、午後から参戦?オーナー夫妻も駆けつけ?最後は、みんなでとりあえず記念撮影なんかしてしまいました。
仮組みでこんな皆そろって記念撮影なんかするのめったに無いんじゃないかな?それだけ難しかったし、気をもんでいたから、みんなもう完成みたいな気分になっちゃたんだろうな?(私だけ?)
とりあえず、今日は、ここまで、又、今までの途中経過や、現場の状況を書き記していきます。現場の方は、耐圧板を打って、基礎を打って、鉄骨の建て方を待ってま〜す。
下地が組めたところ  A部材を取り付け B部材取り付け C部材取り付け中 棟梁の藤井さん
皆で取付(左から2番目が現場監督の山下さん) なかなかいいなじゃない? すごくいいんじゃない?休憩中 ほぼ仮組みは完成 全体が16.5mなので、今回は、1/5ぐらい
コンパネ面がFL+2600程度になります。 なぜか?記念撮影(笑)後列左から
大工のタカオさん・日清のホリガミさん・山下さん・棟梁の藤井さん・日清建設社長宇佐美さん

前列左から
私・クライアントの藤井さん・日清の建築部部長・日清の方
ほぼ仮組みは完成 全体が16.5mなので、今回は、1/5ぐらい
 
次のページ