architecture
外壁と内部 5
川越は、江戸・明治・大正・平成と交通手段が舟運から鉄道そして車へという流れの中で、中心地が変遷した日本で唯一の都市である。
変遷することで、建物が取り壊し新築という流れを取ることなく今も生き続けている町なのである。
そして、他の観光地化した都市との大きな違いは、そこで、商いを行いながら住人として住み続けているということである。

今回の建物の建替えにあたり、大正浪漫かおる町並みの中に突如現代風の建物を挿入するという考えもあったが、
町のラインを活かしつつ、そこに住んでいる住宅という存在を通りに出現させることが、この町全体の特徴を形成していく上で重要と考えた。
その答えが、3階建てであり、3階を通りから隠すのでなく、アピールしていくということである。
人は、生きているし、町も生きている。時代も移っていっている。映画のセットの作られた町ではない。
それが、川越のこの地域の他との違いであり、違いは、特徴である。同時に3つの縦長窓の様に作って育てていかなければ、ならないものだと思う。

通常、住宅部分は、商いを生かするために犠牲になる場合が多々見受けられるが、
商いを活かしつつ住宅部分に豊かな空間が生まれることを願い設計を行っている。
洗い出し仕上げも南面の足回りを除いてほぼ終了
すごく良い感じです。
少し気になったのは、定規が結構目立つ?
職人さんか山下さんも恐らく気になって定規の見えている部分をマジックで塗ってある部分があった。
目地の入れ忘れもある。3つの縦長窓の上部(写真)の庇のような出っ張りの上の所は、目地で区切る予定であった。
目地を今から入れるか、このままやめるか?全体が見えないので判断が難しい。 看板が取り付く部分のサイドである。

家具の塗装中
家具でイマイチ考えものは、ナラ柾の目の通りである。
これは、図面には描いてないので、なんともいえないのだが、引き出し部分と扉部分の目が直行しているのである。
面白いと言えば面白い。
ポリカのシートが取れてすっきり!
ロフトからの木組み網代ボールトを見通す。
ルーバーから見えるんだけど....見えないね。
ルーバーの奥は、こんな感じです。相変わらず曲がってしまった...。
そしてこんな感じ。
木の動き、生命感みたいなものを感じますね。
反対からももう一枚っと。
この屋根の構造が、商いとともにある住宅で商いと共の看板なのである。

ちょっと上から各個室をのぞく。
反対からも覗いちゃおう!
ピンボケ
リビングの家具である。
リビングの両サイドに家具が付くのだが、その天板にコンセントをつけるのに、逆の家具にコンセントがつけられていた。
私、山下さん、電気屋さんは、同じ場所の家具に付くと認識していた。
しかし、家具屋さんは、逆の家具に取り付けてきてしまったのである。
こう書くと家具屋さんが悪者ですが、実は、施工図のほうには、逆の家具にコンセントをつけるように私が指示した赤が入っていた。
しかも丁寧に寸法まで指示してあった。
私の責任です。皆さんすみません。
ということで、逆の家具にコンセント取り付けのため穴開け中。
通路奥から通りに向かって。
壁は、腰まで天井と同じ珪藻土
腰部分は、桧の縁甲板貼り。
その下の幅木(H=400)は、床と同じ600角のタイル。

通りから通路の天井を見る。(相変わらず曲がっている。)
一枚上の反対から撮った写真と見比べるとわかるが、照明器具を隠そうとしている。
でも、できてみると、見せても面白いかな?と思っている。
店舗天井見上げ。
奥で墨出ししてるのは、ちょっと前に応援?でこの現場に来た、福島さん。
ボード面に照明の穴が開いてくるのだが、ここは、間接照明で行きたかったな〜。

厨房床面タイルの目地積め風景。
基本的に厨房内は、既存状態を復元する感じである。
側溝の蓋も既存のSUS蓋を使用している。
また、側溝自体は、塩ビパイプ100Φの半割を底面に埋め込んでいる。
砂糖がコンクリートを侵蝕させてしまうため。
垂木がホワイトパインで結構白っぽい。
ボードの面は、珪藻土で白である。
せっかくの格子が、消えちゃうのでは?とオーナーの指摘。
基本的には、素地が良いと思っているのだが、
ボードの面が白になられば、もう少しはっきりと浮き出てくるはず。
サッシコーナーと天井との納まり
白い四角は、奥のシャッターの点検口。
良い感じで納まった。
格子天井という希望はかなっている?
基本的には、通路の方と同じ考えなのだが、幅の違いと、木の垂木の納まりの違いで、違うもののように感じる。(同類には見えるが....)
店舗天井:格子天井詳細である。
垂木同士はうまく行っている。しかし、例の下地の関係で、ボードの稜線のラインと垂木の継ぎ目のラインは通らなかった。
残念だが、時間と忍耐との関係でこれが限界かな?
この部分はボードの稜線と継ぎ目は通っている。
しかし、木の垂木の継ぎ目はおかしなことになっている。
でも、全体で見れば、それは、すごい精度で空間としては、思っていた以上のができたと思う。
軽天屋さん・大工さん・ボード屋さんありがとう。ということで、仕上げ工程ですね。
珪藻土の問題もまだ残っている。
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