architecture
軒先と内部 4
今回の建物は、大正浪漫夢通りという通りに面する店舗兼住宅である。
この通りには、「大正浪漫のまちづくり協定・規範」というものがある。
近代建築・土蔵造り・真壁造り・洋風町屋の建物は、保存が原則である。改変されている場合は、創建時のファサードに戻す。
建替え時は、元の建物のイメージの継承。看板・暖簾などの小道具による大正浪漫のイメージを演出する。
その他の建物は、............と10項目ほどある。そして、通りの将来像として各店舗のファサードをこの協定にあうようなファサードにした
絵もつけられている。これによると、今回の物は、立替に当たる。そして将来像の絵によると蔵造りのお店として描かれている。
当初、お店の業種が和菓子+飯物ということで、蔵造り系の現代版として考えていた。しかし、オーナーの意向はぜんぜん異なるものであった。
この通りには、もう一軒お団子を売るお店が存在していた。(先日、やめてしまったが、)そちらの建物は、蔵造りの建物で、同じ感じのものを作っても
意味がない。確かにそうである。よって、洋風にして欲しいとの事。う〜ん。確かに同じ土俵では、古い方が、良い。だからってその反対の洋風か〜。
時同じくして、大正浪漫夢通り専門委員会が開かれ、そこで、この建物がどのようなものがいいのかという事が、商店街の幹事や、大学の先生や
地元の蔵の会の人など混ぜて十数人で議論?が持たれた。そこでの見解は、隣の大正館に合う?物。水平ラインを揃える。などの事項が挙がった。
洋風町屋が初めて、この建物の方針となった時である。
さて、川越の洋風町屋とは?ずばり2階建てで2階部分には、3つの縦長窓。その他色々...。
この3つの縦長窓は、はずせない要素なのである。単純にほとんどの敷地は、間口3軒程度で奥に長い。その場合に両サイドを耐力壁として使うと
3つぐらいしか窓が取れないのである。しかし、実際には、当時(大正時代ごろ?)は、色々な洋風な建物があったんじゃないかと思っている。しかし、
現在に残るそれは、ほとんどが、3つなのである。これは、数的に多かったから残っているという話もあるが、偶然という話もある。劃して、これは、
川越の特徴となったわけである。特徴とは不思議である。
とりあえず、3つの縦長窓が付いているのだが、これは、本当にすごい制約であった。色々なところで.......。
そして、何よりも困ったのは、そのデザインであった。これは、恐らく、恐らくですが、近代建築を大学で学んできた僕らの世代にとって初めて行う
デザインであった。実際これから設計活動を行っていく過程で同じように、歯飾りだとか、ドリス式だイオニア式だのアーキトレーブだとかコーニスだとか
を意識して設計する機会があるか?といえば、恐らくほとんどないであろう。そして、ウィトルウィウスの建築十書を読んで勉強した。しかし、それは行わなかった。
それをする必要があったかは今はわからない。
大正浪漫夢通りに面する外壁の2階部分。
下地のモルタルで大体の形が把握できるようになってきた。


通路の天井


奥の方の軒天:梁の部分の銅板の大きさの違いがわかるでしょうか?
一番上み見えている三角形と次の梁の同じ部分の三角形は本来は、同じ大きさになる。
もう一枚

反対からも
少し離れて

職人さんと梁の覆いの端部についてその場で打ち合わせ。


鉄骨の梁を米松の板で包んだところ上部は、木組みをしている最中に組み込んだポリカーボネート版6mm
方立ては見つけが60mmであるが、もっと細くできた。しかし、ポリカの既成のW寸法maxが1000mmを使っていくと
60mm無いと駄目なのである。

板金の仕事(屋根関係)がほぼ終了。最後に来て、梁のところで、問題があったが、銅板のパワーで十分カバーできた?




道路側個室天井見上げ、木の梁の中で、カビが取りきれていない物が何本かまだ残っている。
米松の板で鉄骨の梁を包んでいるのだが、相当なボリュームだ。ウェブ部分だけ隠せばよかったかな?
少しピンボケ梁の影と木の梁とのずれが、すごくきれい!
編み物的感覚! これはきれいに撮れたね。ポリカに木の梁が貫通してるのも良くわかる。 通路の天井です。結構苦戦してます。屋根の木組みより時間掛かっているかも?の勢いです。
洗い出しの石が入荷してきました。 ようやく、スチールサッシが入りました。窓の飾り(格子)が見込みが大きすぎたかな?と思っていたが、こう見ると気にならない。
見付は5mmなので、正面から見るとすごくスレンダーです。
スチールサッシが3つ入ったところ。青いのは、養生シートは 定規を付終わったところ。さー、洗い出し本番だ〜。 これが、洗い出しされるもの。
通路天井:ほぼ完成である。 オパリーンのガラスブロック周囲のコーキング スチールサッシ正面からの感じ。 銅の外壁のすぐ下の洗い出しの終わった部分とこれから洗い出ししていく部分の写真。 室内からの見上げ
単管パイプ2本の足場の間からの撮影
何をしているかといえば、外壁を洗っているところです。
職人さんは、全身真っ黒です。もう少し?なので、頑張ってください。 道路側の開口部分にガラスが入りました。
室内が暗くてわかりにくいが、軒天の梁と室内の梁が連続しているのがわかります。(現在の歯飾りかな?) ロフト内部:床のフローリングも貼り終わりました。この部屋結構気に入っています。
物置だけで利用じゃもったいないな〜。書斎みたいに使って欲しいな〜。 ロフト内部 出隅部分には、定規が通るのだが、目地が入る部分はその定規を切り欠いてもらっている。
目地が回っていくようにである。(とは言っても写真の目地は回っていない。)
洗い出し1 洗い出し2 リビングから和室方向を見る。 和室の鴨居(H=1800)が少し低かったかな?
床柱(神代杉)、床框(黒檀)も取付終了。
リビングの曲面の天井と3つの縦長窓と和室という構図がなんとも不思議な感じを醸し出している。 とりあえずやり直した梁の部分が完成した。 梁の廻の部分に少しつばが付いていて軒天との間をシールでぐる〜って回します。
本当は、このつばをつけたくなかった。..........。
外壁の洗い出し中:ぜんぜんわからないですねこの写真。 木組み網代ボールトの足の部分。ちょっとした棚みたいになります。ボードを木の梁の傾きに切って差し込んでいっています。
ボード屋さんは、うまいね。    
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