店舗とその前の通路兼休憩所の天井は屋根の構造(木組み網代ボールト)を意識できる物としたかった。
同時に、通路の上を厨房内のダクトが通るためそれを隠すために全体の天井高さを下げるということはしたくなかった。
そこで、出てきたのが、折板構造(折り紙)である。凸と凹で形を作っていく。(折り紙で言う平織り?)全体を布1枚で作り
それを山折、谷折すれば、できてしまう。照明を裏に入れて光天井にするという案をオーナーに提示。
問題点として、1.光天井は、虫が絶対に入り、死に、死骸がたまる。2.隣の大正館の天井のように格子天井が希望である。
上記の理由で、再検討という結果に成った。しかし、この天井を翌々見ると、すごく規則があり、見方を少し変えたところに落し所があった。
長方形の紙があると等間隔に谷折を行う。そして、角度を振った山折をまた等間隔でクロスさせている。山折の部分だけを見ると網(格子)状
になっているのである。おっ、ここに格子として垂木を通していけば、希望の格子天井に近づくんじゃない?って事で、光天井はやめて、
稜線木の格子天井で了承を貰う。
さて、これを実際にどうやって作るか?である。紙(折り紙)や模型では、比較的簡単に製作ができる。設計では、軽天で組んで、ボード張って
垂木をくっつけて、完成!って感じであったが、実際は、すごい大変な作業が、今日(10/29)も現場で続いている。
GRCなどでパネルを製作して、現場では、取り付けのみ見たいなのも提案したが、金額的に折り合わず、設計通りの軽天で組んで、垂木をつけて、
ボードを張り込んで、珪藻土塗りという感じで進んでいる。しかし、人工もすごく掛かってGRCでやっても同じぐらい掛かったんじゃないかと思う。(山下氏)
でも、この判断は、今だからできたことで、初めからその判断は難しい。まだ、この部分が、完成していないので、吉とでたのか凶とであたのかは不明。
でも、これによって確実に携わった人間の限界値?がUPしたことは間違いないと思う。